「企業決算と株価の反応に関する一検証」
決算発表で株価はどう反応したのか
(日本経済新聞4月25日15面より)
日本経済新聞2014年4月26日15面には、前日25日の決算発表企業の内容が、様々な見出しで報道されており、決算発表当日である25日の各社の株価推移を比較し、決算発表とその内容、そして株価の反応について検証してみたい。
以下の企業は、日本経済新聞2014年4月26日15面に、
様々な内容、見出しで決算内容が報道された企業であり、
その見出しと、25日当日の株価の動き、他との
相対比較を一覧として見てみる。
村田製作所:営業益2014年3月木 2.1倍
25日の株価(終値)=8,821円
前日比+97円、+1.11%
ファナック:純利益最高 3期ぶり
25日の株価(終値)=18,380円
前日比+210円、+1.16% 225銘柄中上昇率 第42位
川崎重工業:2期連続最高益
25日の株価(終値)=380円
前日比+28円、+7.95% 225銘柄中上昇率 第2位
ヤフー:初の営業減益
25日の株価(終値)=501円
前日比+9円、+1.83% 225銘柄中上昇率 第16位
神戸製鋼所:純利益29%減
25日株価(終値)=130円
前日比−4円、−2.99% 225銘柄中上昇率 第221位
日野自動車:純利益35%減
25日株価(終値)=1,373円
前日比−44円、−3.11% 225銘柄中上昇率 第222位
クラレ:純利益2%増
25日株価(終値)=1,148円
前日比−5円、−0.43% 225銘柄中上昇率 第166位
スタンレー電気:純利益37%増
25日株価(終値)=2,400円
前日比+11円、+0.46%
小糸製作所:純利益29%増
25日株価(終値)=1,942円
前日比−6円、−0.31%
オークマ:今期純利益30%増
25日株価(終値)=801円
前日比+5円、+0.63% 225採用銘柄中上昇率 第84位
三井造船:今期純利益77%減
25日株価(終値)=201円
前日比±0、±0% 225採用銘柄中上昇率 第128位
マツダ:今期純利益18%増に 年配当実質2倍
25日株価(終値)=461円
前日比−1円、−0.22% 225採用銘柄中上昇率 第152位
こうして一覧に書き記してみると、その関係などを
観察することができます。概ね決算内容がプラスの企業は、
株価も上昇し、決算内容がマイナスの企業は株価が
下落していることが分かり、理解できる反応といえます。
一方で、ヤフーは減益の発表で株価が上昇、
逆に、小糸製作所は決算内容がプラスで、
株価は下落と、決算内容と株価の反応が
食い違いを見せる企業があることも分かります。
また川崎重工業は2期連続の最高益という
大きい実績を上げ、一日の上昇率が7.95%にも
及ぶという、株式市場ならではの醍醐味、
株価の上下動の激しさを垣間見せます。
マツダは配当実績が2倍になるという
インパクトはあるものの、株価の
反応は低く、決算の内容と株価の
動きの規則性を見出すことは難しいと
いえるでしょう。
最後に、上記12企業を、チャートにおいて
経時的な値動きを確認すると、決算の
発表や内容は、単にある瞬間の
エネルギーを形成するだけであることが分かり、
大小様々な値動きの中で、その時々の
材料が株価にどうように影響を及ばしているのか、
ストーリーを持って判断できる力が必要になります。
決算や材料は、いつでも市場に出現し、
価格変動のいち要因として働きます。
それを知った上で、決算の内容も味方につける、
そんな投資の力を養っていく必要があるのです。