「縫製大国」揺るがず 賃金安く、技術も蓄積
『バングラディシュで1千人以上の死者が出た縫製工場の
ビル崩壊事故から24日で1年。劣悪な労働環境への
国際社会の批判や賃金引き上げで、世界のアパレル企業
の撤退も懸念された。だが、それでも低い人件費や技術の
蓄積を背景に、「世界の縫製工場」は揺らいでいない。
むしろ中国以外の製造拠点を探る「チャイナプラスワン」
としての存在感が高まっている。』
(日本経済新聞5月24日9面より)
世界各国のグローバルな製造業は、常に安価な労働力を
求めて、世界を巡ります。現在、縫製の分野では、
バングラディシュがその安価な労働力と確かな技術を
提供し、世界のアパレル企業の工場が集まっているようです。
こうして新興国はその勢いを増し、外貨を流入させ、
次第に国としての豊かさを手に入れ、徐々に労働力の
価値も上昇し、再び企業は安価な労働力を求めて、
他の国へ資本を移動させていきます。
これが新興国の経済発展の原型であり、かつてそれは
中国が歩んだ道であり、今は東南アジアの国々が追随し、
さらにその後を追う国々があります。
新興国は経済発展とともに、自国通貨の価値を上げ、
国として豊かになり、国民が豊かになります。そこには、
世界の資本移動という大きいうねりがあります。
この資本移動は、これまでにも見られ、そしてこれからも
全く同じことを繰り返していきます。世界の資本の流れを
見る目を持つことで、小さい投資家の視野はより広く
市場を捉えられるようになるでしょう。