貯蓄から投資へ 未完の挑戦

貯蓄から投資へ 未完の挑戦

「貯蓄から投資へ 株売買ネットで身近に

金融ビッグバンの一環で1999年に株式売買の
委託手数料が完全自由化されると、低コストの
インターネット取引が台頭した。自宅でも
手軽に株式を売買できるようになり、プロ級の
腕前の個人投資家も生んだ。しかし、個人マネー
全体で「貯蓄から投資へ」の勢いが増すことはなかった。
日本経済新聞2014年6月29日 13面より

1999年の日本版金融ビッグバンを始め、日本の
巨大な個人金融資産は幾度となく、貯蓄から
投資は大規模な移動が起こると期待されながら、
全くそれは実現していません。

1996年に当時の橋本龍太郎首相は、
「1200兆円もの我が国個人貯蓄を十二分に
活用していくことが不可欠」と明確に
打ち出したそうですが、2014年3月末現在で
家計の金融資産(個人貯蓄)は1600兆円に
膨らみ、現預金の比率は53%と、過去20年
この比率は50%前後で推移しているそうです。

積極的に株式に投資する文化が根付く米国では、
現預金の比率は13%、欧州でも35%といわれます。
投資信託の比率は米国の12%に対し、日本は5%に
満たず、「貯蓄から投資へ」の流れは全く
太くなっていません。

これはなぜでしょうか?その答えは、1つ。
日本国民が現金を安全だと捉え、投資信託や
株を魅力的だと思っていないのです。

これに対し、米国や欧州の国民は、
投資信託や株式の運用により、現預金よりも
資産を増やせる可能性に魅力を感じ、
「現金を投資へ」振り向けます。

政府が本気で、日本の個人金融資産について、
「貯蓄から投資へ」の流れを作りたいのであれば、
国民への教育と情報の提供、そしてコミュニケーションが
必要なのです。

過去20年において、成果を上げられていないとすれば、
国民への教育と情報の提供、コミュニケーションに
失敗していることを知り、変えていく必要があります。

国民は投資信託や株で資金が減る=損することを
知っており、恐れています。増えることに対する
魅力を見出せず、安心して、安全を確保できる
「現預金」にお金を置いたままにします。

もし、1600兆円の資産を有する国民が、
「頑張れば、増やせるんだ」という可能性や魅力を感じれば、
放っておいても資金は現預金から投資へと動きます。

人はお金を増やしたいから、
お金は増える場所や安心できる場所に集まるからです。

「貯蓄から投資へ」の動きは現時点で成功していません。
それは国民の理解、納得、安心が得られていないからです。

それを理解すれば、何を行っていくかは明白です。
「安心して増やすことができる、そんな可能性がある」
教育と情報の開示・提供、そしてコミュニケーションを
行なうことなのです。

私は生涯をかけてこの分野で尽力していこうと
考えています。なぜなら

「お金のことをただ心配するだけでなく、
 積極的に自ら管理して、増やすことさえできる。」

そんな状態に、誰でもなることができ、
お金と安心してつき合っていくことは
誰にでも可能であり、私はそれを伝えたいからです。