松下誠の投資探求

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毒とは、生物の生命活動にとって不都合を起こす物質の総称である。(Wikipediaより)私たちの周りには、動植物が産生する毒や、化学物質として作られた毒など、様々な毒が溢れている。生命活動に不都合を起こすことから、私たちは、自分にとって何が本当に毒なのかを知り、毎日の生活から排除する必要がある。これは、自らの生命を守るという、生存欲求を満たすために必要な学びである。

毒には、ある生物にとっては不都合を起こすが、他の生物には何も不都合を起こさないといったような選択毒性や、少量では不都合を起こさないが、多量に摂取すると不都合を起こすといったような、閾値(いきち)など、複雑な背景要因がある。また、急激に作用するか、慢性的に徐々に作用するかといった、急性毒性や慢性毒性といった複雑な因子もある。

私は、投資の世界において、毒が蔓延していることを、ここ数年危惧している。その毒とは、私たちが毎日目にしている「情報」だ。投資を行っている人であれば、インターネットの各種サイトに次々と投資の情報が現れる。最初は、ほとんど全ての初心者の投資家は、その情報が、自分にとって毒になるのか、薬になるのか、分からない。最初は無知であり、初めて目にするからだ。

その情報のほとんどは、急性毒性を持つものではない。その情報を見たからといって、その投資家の資金が急激に奪われることはないので、投資家はその毒性に気づかない。ここで、その情報に毒性があることを知っていれば、その毒の影響を受けずに済むが、そうでなければ、徐々に影響を受け始める。ここに、上記に書いた選択毒性が現れることになる。

その情報は、急激に不都合を起こすわけではないが、徐々に神経を麻痺させる。つまり、ある種の投資の情報は、慢性毒性を持っている。

次に、毒の危険性は、次の式によって定義される。

危険性=毒性×摂取量×時間

私たちの日常生活において、決して毒性が高くなくとも、投資のあらゆる情報は、ひっきりなしに現れる。つまり、知らず知らずのうちに摂取量(情報にさらされる量)と時間は長くなる。こうして、情報の危険性は高くなり、慢性的な毒性を発揮し始める。

生命活動に関して考えた時に、毒の影響を防ぐ方法は、いくつか考えられる。毒を体から排除し、体の中に毒に対する抵抗力(免疫など)をつけるのだ。しかし、一旦体内に毒が回り、組織や細胞が破壊され、各種の器官の機能を失ってしまえば、毒の排除や、抵抗力をつけるだけでは体を回復させることは不可能であり、器官そのものを修復していくしかない。もし、毒の作用により生命を失ってしまえば、その生命を回復させることはできない。

投資の毎日では、知らず知らずのうちに、このようなことが起こっている。毒のことを知らない投資家は、いつしか毒に影響され、神経が麻痺し、器官の機能を失い、気が付いたときには投資の生命である資金を失ってしまう。

私は、私たちの周りに溢れているある種の情報が、明らかに毒性を持っていると確信している。自然界や私たちの日常にも生命を脅かす毒が溢れているのと同じように、投資の世界にも毒が溢れていることを知り、毒について学び、毎日の環境の中から遠ざけるようにしよう。麻痺した神経を回復させることは容易ではなく、失った生命を回復させることはできない。

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への6件のコメント

松下誠の投資の哲学