松下誠の投資探求

痛み

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人は本能において、「痛みを避け、快楽を得る」ための行動を選ぶ。投資家が、損失を避けるために先送りし、利益を得たいがために早々に決済し確定するのは、この本能が端的に現れた結果だ。

しかし、この反応や選択は、あくまでも短期的、反射的なものであり、長期的に考えた場合には、投資家に、より大きく切実な痛みを将来に招く。先送りされた損失は、何ら解決されておらず、目を背けただけであり、依然として、そこに存在し続けているからだ。そして、その損失は、市場の中に現れるトレンドという巨大な力に誘われ、無視され続けた巨大な爆弾になる。いつかこの巨大な爆弾が爆発の時を迎えれば、この投資家は痛みではなく死を招き、市場からの撤退を余儀なくされる。最初の時点で痛みを避けたと思って選ばれた行動は、単に痛みから目を背けただけに過ぎなかったのだ。

私たちの体に起こる痛みに目を向けてみよう。痛みは、「この場所で、異常事態が起こっている、問題が生じている。この場所で起きている異常事態や問題を解決することが必要だ!」というメッセージを送っている。時には、保護し、休息し、治療が必要である。少なくとも、目を背け、無視すべきではない。それは、異常を知らせるメッセージであり、放置すれば死に至るという、至極シンプルなメッセージなのだ。このことは、自分の体のことを思い出せば、誰でも理解できる。

今一度、投資の日常に戻ってみよう。投資家は、痛み=損失を無視し、放置し、目を背ける。損失を避けたいとは思うが、解決しよう、対処しようとは思わない。それで、快適に生き延びていくことができるのだろうか。

投資家が市場で生き延びて、快適な毎日を過ごすためには、痛みというメッセージから目を背けてはいけない。痛みの起こった時、場所こそ、そこをしっかり見つめ、対処し、治癒させていく必要がある。痛みを癒し、完治した時、その場所や経験はさらなる力強さを手に入れるものだ。痛みが生じた時には、避けるのではなく、目を背けるのではなく、しっかり見つめ、対処しよう。

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痛み への1件のコメント

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